2026年3月6日金曜日

「トンボのメガネ」で府立植物園

早春の京都府立植物園・観察会

昨日は「トンボのメガネ」の観察会が京都府立植物園でありました。一歩足を踏み入れると、厳しい冬を乗り越えようとする「冬芽」たちの力強さと、気の早い春の花たちが迎えてくれました。セツブンソウは終わっていましたが、ユキワリイチゲが満開でした。

今回の観察会で出会った、興味深い発見の数々を振り返ります。

興味深かったヤマコウバシの説明から次のblogの展開にいたりました。
https://suikyou.muragon.com/entry/47.html

1. 「1カラット」のルーツ?イナゴマメの不思議

まずは面白い豆知識から。イナゴマメの種子を一粒手に取りました。実はこの種子、重さがほぼ一定(約0.2g)であることから、かつて宝石の重さを量る基準に使われていたそうです。ダイヤの単位「カラット」の語源は、このイナゴマメから来ているというから驚きですね。

2. 名前から紐解く植物のキャラクター

植物の名前には、その特徴や歴史が色濃く反映されています。

シキミ(悪しき実): 葉の裏に脈が目立たないことから「脈がない=亡くなった方」に寄り添う仏事の木に。

ミズメ(ヨグソミネバリ): 枝を折るとサリチル酸メチル(サロンパス!)の強い香りが。その衝撃的な匂いから「夜の糞」という少し可哀想な別名も。

ツバキ「有楽(ウラク)」: 別名「太郎冠者」。狂言の愛されキャラの名を冠し、冬のさなかに先陣を切って咲く姿が目に浮かびます。

ジャノメエリカ: どこが「蛇の目」かと思えば、花の中心にある黒い葯(やく)が、まさに蛇の鋭い目のようでした。

3. 命の戦略:動くおしべと、散らないワビスケ

観察会ならではの「動的な」発見もありました。

ヒイラギナンテン: おしべの根元をそっと刺激すると、瞬時に内側へ折れ曲がります!これは訪れた昆虫に確実に花粉をなすりつけるための生存戦略。早春の少ないチャンスを逃さない知恵に脱帽です。

ワビスケ: 清楚な美しさで愛されるワビスケですが、実はおしべが退化して花粉を作りません。今私たちが目にしているのは、江戸時代から人の手によって「挿し木」や「接ぎ木」で受け継がれてきたクローンだと思うと、また違った感慨があります。

4. 似て非なるものを見極める

ハクウンボクとハクサンボク: 名前は似ていますが、冬の姿は対照的。落葉して潔い裸木のハクウンボクに対し、ハクサンボクは青々とした葉と冬芽を蓄え、赤い実まで残していました。

サルオガセとサルオガセモドキ: クスノキの高い場所に見えたのは「サルオガセモドキ」。地衣類のサルオガセとは違い、こちらは中南米原産のエアプランツ。フワフワとした柔らかな質感が特徴です。

コショウノキとオニシバリ:コショウノキとオニシバリは、どちらもジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑小低木であり、早春に芳香のある白い(淡黄緑色の)花を咲かせ非常によく似ています。主な違いは、「葉の質感・光沢」「花の毛の有無」「果実の色」「落葉性(オニシバリのみ夏に落葉する)」にあります。

5. 京都の歴史を刻む「半木の森」

園内にある自然林「半木の森」。その名は、かつて賀茂川の氾濫で流れてきた「流れ井(なからぎ)」という地名に由来するといいます。 また、鑑真和上ゆかりの瓊花(ケイカ)や、海水を使わずとも真水で力強く根を張る温室のオヒルギなど、植物園の高度な管理技術があるからこそ拝める貴重な姿も印象的でした。

【今回メモした生きものたち】 イナゴマメ、ミソナオシ、コショウノキ、オニシバリ、シロバナゲンカイツツジ、トウマンサク、ミツマタ、セリバオウレン(雌花かと思いきや?)、ミドリカメムシ、ユキワリイチゲ、ネコヤナギ、ツクバネガキ、ウグイスカグラ、シャクヤク(園芸種)、ビャクダン、イヌガシ、サンシユ、フウラン、オオタニワタリ、キンギョバツバキなどなど書ききれないほどの生命に出会えた一日でした。

「トンボのメガネ」で府立植物園

早春の京都府立植物園・観察会 昨日は「トンボのメガネ」の観察会が京都府立植物園でありました。一歩足を踏み入れると、厳しい冬を乗り越えようとする「冬芽」たちの力強さと、気の早い春の花たちが迎えてくれました。セツブンソウは終わっていましたが、ユキワリイチゲが満開でした。 今回の観察会...